友達から恋人になる方法
私は、一冊ミステリーの本を手に取ると、ゆうのところに戻った。


集中しているのか、ゆうは私が帰ってきたことに気付かない。


その集中を崩さないように静かに座って、本を読み始めた。


結構複雑なミステリーだった。


事件を解決しようとする男の子と女の子は友達で、女の子は男の子が好きだった。


時折、女の子の恋愛描写があってミステリーの中のスパイスとなっていた。


『こんなに辛いなら、友達になんてなるんじゃなかった』


女の子のそんな言葉が不思議だった。


私は、ゆうと友達で良かったと思ってる。


なんの理由もなしに隣にいられる。


なにか理由がなくても、ゆうに会える。
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