友達から恋人になる方法
『大丈夫。なんでもない』


そう言うと、私は前に倒れ込みそうになった。


その身体を慌てて悠馬くんが抱きとめてくれる。


『大丈夫じゃないじゃん。保健室行こ』


差し伸べられた手をぎゅっと握る。


悠馬くんに身体を支えられて、保健室に向かう。


『……ありがとう。ゆう……』


最後まで名前を言えなかったのは、発熱によるだるさと頭がぼうっとする感じからだと思う。


『ゆう‥…か、いいね、それ』


そう聞こえた気がしたけど、私は気にせずに眠りについた。


ゆうの手を握り締めたまま。


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