友達から恋人になる方法
目を覚ますと、そこには悠馬くんがいた。


『あ、起きた』


思わず何かを掴んでいる手に力が入る。


それを見ると、悠馬くんの手で。


『あ、ごめんね。ゆう』


当たり前のようにそう言ってしまい、自分でも驚いた。


でも、悠馬くんも嫌そうな素振りはなくてむしろ


『別にいいよ。なる』


と、私を呼んだ。


それから、私は悠馬くんのことをゆうって、ゆうは私のことをなるって呼ぶようになった。


それからだったかもしれない。


私たちの間の空気がより親密になった気がするのは。




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