友達から恋人になる方法
「でも……っ」


そう言いかけて、彼女はやめた。


ゆうが冷たい目で乃亜さんを見つめていたから。


「特になるのこと、知らないだろ。勝手なこと言うな」


あ、そうだ。


怒るとゆうは、口調が荒くなる。


あんな、女の子相手に怒るゆうを私は初めて見た。


「ゆう……」


そう呟くと、ゆうはすぐにこっちを向いた。


「なる、帰ろ」


何事もなかったかのように言われ、私はうなずいた。


けど、ゆうの肩越しに鋭い視線を浴びせてくる乃亜さんと目があってしまって、少しだけひるんだ。


「どうした?」
< 74 / 218 >

この作品をシェア

pagetop