友達から恋人になる方法

あの時、その全てが苦手になった。


『お前が好き。だから付き合って』


竜也にそう言われたとき、何かがイヤだった。


こっちを下に見ているかのような言葉。


どこから湧いてくるのかわからない自信を宿した瞳。


何がイヤだったのかは、わからないけど恐怖を感じるようになった。


「昔は、もっとしゃべったじゃん」


不満そうに言う竜也を少し見る。


でも、こっちを見下ろす瞳がイヤですぐに顔を背けた。


「そうだね」


他人行儀とも言える言葉で返すと、竜也はどこか満足そうにした。


ほら、なんにも私のことわかってない。