桜花の剣士

「ひっ！！な、何ですかあなたは！！」

流華は悲鳴を上げるが、相手は全く聞こうとしない。さらに強く棒を噛み、流華を襲おうとする。

「だ、誰か！！助けて！！」

流華は悲鳴を上げて助けを求めるが、裏路地にいるため人がいるわけがない。流華は恐怖のあまりに涙をこぼす。すると、「桜花の雨！！」という女性の凛とした声が響いた。

「何ですか、これ！！」

「ぎゃあ！！」

流華と恐ろしい人物の間に桜の花吹雪が生まれていく。そしてその中から女性が姿を見せた。長い腰ほどの髪を揺らし、桜の花びらが刺繍された軍服を着ている。

「えっ、あなたは……？」

驚く流華だったが、女性は流華の方には目もくれず流華を襲おうとした人物を見下すように笑いながら見つめ、口を開く。

「強い欲望から取り憑かれたのね。今すぐ祓ってあげるわよ」

女性はそう言い、刀を取り出す。その刀はピンク色に輝いていた。

「覚悟しなさい！！」