桜花の剣士
女性は相手に斬りかかる。その刹那、目の前がピンク色の花びらに包まれた。そして流華は小町の話を思い出した。

世界が元に戻った時、流華の目の前には地面に倒れている人と刀を鞘の中に収めている女性の姿があった。

「あ、あの！助けていただいてありがとうございます」

流華が頭を下げると「それが私の仕事だからな」と女性は言い、流華を見つめる。間近で見ると女性の顔立ちはとても華やかだ。同性でもドキドキしてしまう。

「な、何でしょう？」

流華が訊ねると、「あんた新しい剣士として向いてるかも」と言い手を掴まれる。

「ど、どういうことですか！？」

混乱する流華だったが、世界が一瞬にしてピンク色に包まれてやがて黒一色になった。



流華が目を開けると、「気が付いた？」と小学生ほどのリボンやレースのついた軍服を着た女の子と学生服のような軍服を着た男の子が声をかけてきた。

「えっ？あなたたちは？」

流華が体を起こすと、見知らぬ場所だった。見知らぬ畳の上で流華は寝かされている。訳かわからない。
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