転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
一応、歓迎はされているようだ。シュタッドミュラー家からここに来るのが二人目なので、実は少し心配していた。家族で同じ職場にいるというのは、避けた方がいいケースも多いから。
一番奥の部屋に保管されているのは、今まで開くことのできた人がいないという書物だ。
四方の壁は、みっしりと書物が詰め込まれている。部屋の中央には広いテーブルがいくつか置かれていたけれど、その上にも本が重ねられていた。
(……この中に魔神との対決方法があればいいんだけど)
ここは、アイリーシャの知る世界から三百年前。まだ、魔神の存在は世には知られていないらしい。
ここにはその資料もあるのではないかと期待しているけれど、どうだろうか。
「アイリーシャ様、どうでしょう?」
「先生――じゃなかった。ここでは所長、でしたね。こんなにたくさんの研究書があるとは思っていなかったので、どこから手をつけたらいいのか考えてしまうくらいです」
「そうですねぇ……」
書棚にずらりと並んだ背表紙を眺め、ミカルも考え込む表情になった。それから、彼はアイリーシャを部屋の左手にある棚の前へと連れていく。
一番奥の部屋に保管されているのは、今まで開くことのできた人がいないという書物だ。
四方の壁は、みっしりと書物が詰め込まれている。部屋の中央には広いテーブルがいくつか置かれていたけれど、その上にも本が重ねられていた。
(……この中に魔神との対決方法があればいいんだけど)
ここは、アイリーシャの知る世界から三百年前。まだ、魔神の存在は世には知られていないらしい。
ここにはその資料もあるのではないかと期待しているけれど、どうだろうか。
「アイリーシャ様、どうでしょう?」
「先生――じゃなかった。ここでは所長、でしたね。こんなにたくさんの研究書があるとは思っていなかったので、どこから手をつけたらいいのか考えてしまうくらいです」
「そうですねぇ……」
書棚にずらりと並んだ背表紙を眺め、ミカルも考え込む表情になった。それから、彼はアイリーシャを部屋の左手にある棚の前へと連れていく。