転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
言葉の後半はエドアルトに向けてのもの。
「ノルヴェルトのところか。俺もそこに用がある。一緒に行こう」
「……え?」
また、間の抜けた声が出た。一緒に行こうと言われても。
ものすごい視線を感じて、そちらに目を向ければ、エドアルトに案内を拒否された職員がこちらにすさまじい目を向けている。
(あぁ……やってしまった)
内心でため息をつくものの、こればかりはどうしようもない。
王太子殿下を追い払うなんてできるはずもなく、しぶしぶ並んで歩き始めた。
「昨日は、お花をありがとうございました」
なぜ、ピンクのスイートピーを選んだのかまでは聞けなかった。たぶん、父にでも聞いたのだろう。そういうことにしておく。
もちろん、すぐに謝礼の手紙は送ったものの、直接顔を合わせたのだから、今、もう一度御礼は言っておいた方がいい。
「怖がらせた謝罪だ」
「あれは……私がいけなかったんですよ。でも、今はよく気づきましたよね? 他の方の気配に紛れると思っていたんですけど」
「アイリーシャ嬢の気配は、もう覚えた」
「お、覚えたって!」
「また、同じことがあったら困るだろう?」
「ノルヴェルトのところか。俺もそこに用がある。一緒に行こう」
「……え?」
また、間の抜けた声が出た。一緒に行こうと言われても。
ものすごい視線を感じて、そちらに目を向ければ、エドアルトに案内を拒否された職員がこちらにすさまじい目を向けている。
(あぁ……やってしまった)
内心でため息をつくものの、こればかりはどうしようもない。
王太子殿下を追い払うなんてできるはずもなく、しぶしぶ並んで歩き始めた。
「昨日は、お花をありがとうございました」
なぜ、ピンクのスイートピーを選んだのかまでは聞けなかった。たぶん、父にでも聞いたのだろう。そういうことにしておく。
もちろん、すぐに謝礼の手紙は送ったものの、直接顔を合わせたのだから、今、もう一度御礼は言っておいた方がいい。
「怖がらせた謝罪だ」
「あれは……私がいけなかったんですよ。でも、今はよく気づきましたよね? 他の方の気配に紛れると思っていたんですけど」
「アイリーシャ嬢の気配は、もう覚えた」
「お、覚えたって!」
「また、同じことがあったら困るだろう?」