転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
第五章
今年もまた、アイリーシャの誕生日がやってくる。
毎年、アイリーシャの誕生日には、ガーデンパーティーが開かれることになっていた。
昨年までは、領地の近隣に住む人達を招いていたけれど、今年は首都に戻ってきているので、首都で暮らす貴族達を招くことになる。
午後からのパーティーに備え、アイリーシャは飼い犬を探していた。
「ルル見なかった?」
「いえ、またいないんですか?」
たずねられたメイドは首を傾げた。
ルルは、今ではシュタッドミュラー家の立派な一員だ。両親や兄達だけではない。使用人達にも大人気だ。
ただ、ルルについてひとつ困ったことがあるとすれば、脱走癖があるということだ。どれだけ鍵をかけても、いつの間にか抜け出している。
「そうなのよ、ちゃんと部屋に入れて鍵はかけておいたんだけどいつの間にかいなくなっていたのよね。今日はヴィクトルお兄様も戻ってきてるし、一緒におもちゃも置いておいたんだけど」
あまり甘やかすのもどうかと思うのだが、家族全員次から次へとルルにおもちゃを買い与えている。
毎年、アイリーシャの誕生日には、ガーデンパーティーが開かれることになっていた。
昨年までは、領地の近隣に住む人達を招いていたけれど、今年は首都に戻ってきているので、首都で暮らす貴族達を招くことになる。
午後からのパーティーに備え、アイリーシャは飼い犬を探していた。
「ルル見なかった?」
「いえ、またいないんですか?」
たずねられたメイドは首を傾げた。
ルルは、今ではシュタッドミュラー家の立派な一員だ。両親や兄達だけではない。使用人達にも大人気だ。
ただ、ルルについてひとつ困ったことがあるとすれば、脱走癖があるということだ。どれだけ鍵をかけても、いつの間にか抜け出している。
「そうなのよ、ちゃんと部屋に入れて鍵はかけておいたんだけどいつの間にかいなくなっていたのよね。今日はヴィクトルお兄様も戻ってきてるし、一緒におもちゃも置いておいたんだけど」
あまり甘やかすのもどうかと思うのだが、家族全員次から次へとルルにおもちゃを買い与えている。