転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
それに、候補者は他にも何人かいるために、アイリーシャが選ばれると決まっているわけでもない。そんなわけで、顔を合わせた兄の友人達の中には、露骨にこちらを値踏みしている者もいた。
(十年前の件もあるし、慎重に行こうってことなんでしょうね)
魔力を暴発させてしまうというのは、かなりの危険人物だ。ミカルがもう大丈夫だと太鼓判を押してくれたとはいえ、何も知らない相手からしたら、不安の残るところだろう。
少々げんなりし始めたところで、ようやくダリアやミリアムと言葉を交わすことができた。
「やっと、こっちに来たわね。お兄様のご友人達と、話が弾んだ?」
「別に、そういうわけでもないんだけど……挨拶はしておかないと」
ダリアに問われ、アイリーシャはげんなりした顔のまま首を横に振った。
すかさず行方をくらませたいところなのだが、最低限の義務は果たすべきというのはどうしても頭から消えてくれない。
「羨ましいわよね、一人くらいこっちに回してくれてもいいのに」
くすくすと笑うのは、ミリアムらしい。そう言えば、二人ともまだ縁談が決まっていないので、王宮での行儀見習いは続けたままだ。
(十年前の件もあるし、慎重に行こうってことなんでしょうね)
魔力を暴発させてしまうというのは、かなりの危険人物だ。ミカルがもう大丈夫だと太鼓判を押してくれたとはいえ、何も知らない相手からしたら、不安の残るところだろう。
少々げんなりし始めたところで、ようやくダリアやミリアムと言葉を交わすことができた。
「やっと、こっちに来たわね。お兄様のご友人達と、話が弾んだ?」
「別に、そういうわけでもないんだけど……挨拶はしておかないと」
ダリアに問われ、アイリーシャはげんなりした顔のまま首を横に振った。
すかさず行方をくらませたいところなのだが、最低限の義務は果たすべきというのはどうしても頭から消えてくれない。
「羨ましいわよね、一人くらいこっちに回してくれてもいいのに」
くすくすと笑うのは、ミリアムらしい。そう言えば、二人ともまだ縁談が決まっていないので、王宮での行儀見習いは続けたままだ。