転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
第六章
倒れて神殿に運び込まれた人が出た以外、大きな事故もなく、ラベンダー祭りは無事に終了したけれど、アイリーシャの胸には重苦しいものがのしかかっていた。
(なんで、次から次に人が倒れていくのかしら……)
何もできないのがもどかしい。
それでも、自分の役目はきっちり果たさなくてはならない。いつもの通りに出勤して、異変に気付いた。
(あれ……ずいぶん、人の数が減ったような……?)
王立魔術研究所では、百人近い人間が働いている。半数以上は貴族であり、社交上の付き合いなどが優先されるから、勤務するのは週に数日というところだ。
だから、所内に全員いるというのはほとんどないのだけれど、それにしたって少なすぎる。
「お兄様、今日、何か大きな催し物とかあった? どこかの国の王族が、来るとか」
廊下を並んで歩いていたノルヴェルトに問いかけてみる。
「それはないな。だって、それなら俺達今日は出勤しないように言われるだろ?」
「それもそうよねぇ」
アイリーシャもノルヴェルトも、公的な行事があればそちらへの参加が優先される立場だ。
(なんで、次から次に人が倒れていくのかしら……)
何もできないのがもどかしい。
それでも、自分の役目はきっちり果たさなくてはならない。いつもの通りに出勤して、異変に気付いた。
(あれ……ずいぶん、人の数が減ったような……?)
王立魔術研究所では、百人近い人間が働いている。半数以上は貴族であり、社交上の付き合いなどが優先されるから、勤務するのは週に数日というところだ。
だから、所内に全員いるというのはほとんどないのだけれど、それにしたって少なすぎる。
「お兄様、今日、何か大きな催し物とかあった? どこかの国の王族が、来るとか」
廊下を並んで歩いていたノルヴェルトに問いかけてみる。
「それはないな。だって、それなら俺達今日は出勤しないように言われるだろ?」
「それもそうよねぇ」
アイリーシャもノルヴェルトも、公的な行事があればそちらへの参加が優先される立場だ。