転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「いや、回復魔術を受けるには、金銭をおさめなきゃいけないだろ。神殿の側からしたら、そっちの方が都合がいいんだよ。幸か不幸か、今のところ倒れているのは、金持ちばかりだからなぁ……たしかにそりゃ、引き伸ばしたいだろ」
倒れているのが金持ちばかり……そこにもアイリーシャはひっかかった。
自分で呪いをかけておいて、自分で回復する。
これ以上、金銭を引っ張れそうもなかったら、病が回復したとかなんとか言って、意識を戻すことができたならば。
大切な家族のためならば、どんな犠牲を払っても惜しくはないという者は多いはずだ。
(まさか……そこまではしないわよね……)
首を横に振り、嫌な想像を追い払う。
「そういうことだ。神殿の協力は得られない」
「はあ?」
思わず妙な声を上げてしまった。王太子殿下の前だというのに。
「王家に対する反発もあるんだよ。最近、税収で神殿と王家でもめたからな。あー、やだやだ」
ノルヴェルトは心底嫌そうに首を振る。
倒れているのが金持ちばかり……そこにもアイリーシャはひっかかった。
自分で呪いをかけておいて、自分で回復する。
これ以上、金銭を引っ張れそうもなかったら、病が回復したとかなんとか言って、意識を戻すことができたならば。
大切な家族のためならば、どんな犠牲を払っても惜しくはないという者は多いはずだ。
(まさか……そこまではしないわよね……)
首を横に振り、嫌な想像を追い払う。
「そういうことだ。神殿の協力は得られない」
「はあ?」
思わず妙な声を上げてしまった。王太子殿下の前だというのに。
「王家に対する反発もあるんだよ。最近、税収で神殿と王家でもめたからな。あー、やだやだ」
ノルヴェルトは心底嫌そうに首を振る。