転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「この世界を、滅ぼそうとしているやつ。私達とは別の世界にいてね、この世界に時々やってくるのよ――たぶん、人間の世界では災厄とか災いとか言われてるんじゃないかしら」
エドアルトは険しい表情になった。
「魔神は、創世神と対立する立場にあるんです。そして、この世界を滅ぼそうとしている――そうよね、ルル」
「なぜ、わかる?」
ぐっとこちらを見られて、アイリーシャは言葉を失う。
膝の上に置いた手をぐっと握りしめた。
(これを口にしてしまったら……きっと、彼との関係は変わってしまう)
気がついたら、いつもエドアルトはアイリーシャを支えてくれていた。
「それは、私が魔神を封じるための力を与えられているからです――そのために、この世界に生まれたと言っても過言ではないでしょう」
以前なら、もっと軽く考えていた。
三百年後の世界で遠くから見守りたい人がいる。
――けれど。
今はそれだけじゃない。
「……それでは、君は」
「やれるところまで、やってみます。私の大切な人を守るために」
愛してくれる家族。優しい友情を築いてきた友人達。
エドアルトは険しい表情になった。
「魔神は、創世神と対立する立場にあるんです。そして、この世界を滅ぼそうとしている――そうよね、ルル」
「なぜ、わかる?」
ぐっとこちらを見られて、アイリーシャは言葉を失う。
膝の上に置いた手をぐっと握りしめた。
(これを口にしてしまったら……きっと、彼との関係は変わってしまう)
気がついたら、いつもエドアルトはアイリーシャを支えてくれていた。
「それは、私が魔神を封じるための力を与えられているからです――そのために、この世界に生まれたと言っても過言ではないでしょう」
以前なら、もっと軽く考えていた。
三百年後の世界で遠くから見守りたい人がいる。
――けれど。
今はそれだけじゃない。
「……それでは、君は」
「やれるところまで、やってみます。私の大切な人を守るために」
愛してくれる家族。優しい友情を築いてきた友人達。