転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「ものすごく……ものすごく、後手、よねぇぇぇぇぇ!」
思わず神様の肩をひっつかんで揺さぶってしまう。そう言えば、つい最近こんなことがあったような。
「しかたないでしょ、我の力もそがれちゃったんだもんー。言っておくけど、十年前から始まってたんだからね、これは!」
むくれた顔で、そんなことを言うな。
そう突っ込みたかったけれど、今はそんな場合ではない。
「ええと、馬車を用意してもらう? それとも馬で行く方が早い?」
急ぐように言われて、一気にパニックに陥った。うろたえているアイリーシャに、エドアルトが言う。
「ミカルを呼んで、神殿に転移させてもらおう」
そうだ、その手があった。ミカルならば、人を連れて転移することも可能だ。つい最近まで、父を連れて領地まで往復していたのだから。
「そいつが今、神殿に向かってるんだけど」
「え? なんで?」
「だって、そいつが元凶だし」
上がりかけた声を、アイリーシャは押さえる。
どうして、こうなった――とにかく、説明は後だ。
「私に乗って! 今なら飛べる!」
思わず神様の肩をひっつかんで揺さぶってしまう。そう言えば、つい最近こんなことがあったような。
「しかたないでしょ、我の力もそがれちゃったんだもんー。言っておくけど、十年前から始まってたんだからね、これは!」
むくれた顔で、そんなことを言うな。
そう突っ込みたかったけれど、今はそんな場合ではない。
「ええと、馬車を用意してもらう? それとも馬で行く方が早い?」
急ぐように言われて、一気にパニックに陥った。うろたえているアイリーシャに、エドアルトが言う。
「ミカルを呼んで、神殿に転移させてもらおう」
そうだ、その手があった。ミカルならば、人を連れて転移することも可能だ。つい最近まで、父を連れて領地まで往復していたのだから。
「そいつが今、神殿に向かってるんだけど」
「え? なんで?」
「だって、そいつが元凶だし」
上がりかけた声を、アイリーシャは押さえる。
どうして、こうなった――とにかく、説明は後だ。
「私に乗って! 今なら飛べる!」