転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
貫くのは、ミカルではなく彼の身体を支配した魔神。
(私は――最初の戦乙女。次の世代に、つなげるのが役目)
身体の奥から湧きおこる衝動のまま、聖槍に魔力を流し込む。
「ふん、この身体の持ち主を、お前は倒せるのか?」
響いてくる声も、ミカルのものとは違う。けれど、それがアイリーシャの気持ちをなだめてくれた。
(……大丈夫。聖槍は、器となっている人間まで殺すわけじゃない)
この槍は、この世界に現れた魔神を駆逐するためのもの。
「俺が動きを止める! 君はその間に魔神を封じるんだ」
「――行きます!」
ミカルは、能力はあれど心は弱かった。だから、魔神の誘惑に乗ってしまったのだ。
エドアルトの放つ冷気が、ますます強くなっていく。教会の扉までもが、白く染まり始めた。
「――行くぞ!」
エドアルトが狙うのは、ミカル――魔神――の足元。素早くよけようとしたミカルだったけれど、エドアルトが貫いたのは、足ではなくそのすぐ下の地面だった。
(私は――最初の戦乙女。次の世代に、つなげるのが役目)
身体の奥から湧きおこる衝動のまま、聖槍に魔力を流し込む。
「ふん、この身体の持ち主を、お前は倒せるのか?」
響いてくる声も、ミカルのものとは違う。けれど、それがアイリーシャの気持ちをなだめてくれた。
(……大丈夫。聖槍は、器となっている人間まで殺すわけじゃない)
この槍は、この世界に現れた魔神を駆逐するためのもの。
「俺が動きを止める! 君はその間に魔神を封じるんだ」
「――行きます!」
ミカルは、能力はあれど心は弱かった。だから、魔神の誘惑に乗ってしまったのだ。
エドアルトの放つ冷気が、ますます強くなっていく。教会の扉までもが、白く染まり始めた。
「――行くぞ!」
エドアルトが狙うのは、ミカル――魔神――の足元。素早くよけようとしたミカルだったけれど、エドアルトが貫いたのは、足ではなくそのすぐ下の地面だった。