転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
あの落ち着いた物腰で十五歳。さらに宮廷魔術師の筆頭。具体的な能力を理解していなくても、なんだかすごいことだけはよくわかる。
「では、あの噂は本当なのかしら?」
「アイリーシャ様を、王太子殿下の婚約者にという話? でも、早すぎるのではなくて?」
「いえ、こういうお話は、どれだけ早くてもいいものよ」
噂の中心が自分だとわかれば、ついつい聞き耳を立てたくなるというものだ。
(うわぁ、聞いてないぃ……! でもそういう可能性もあるといえばあるわよね……!)
言われてみればそうだ。アイリーシャは公爵家の娘。たぶん、兄達三人は王子の側近候補だろう。
そして、アイリーシャも、王子とはお似合いとか言われてしまう年頃だ。婚約者候補の筆頭でもおかしくない。
というか、他に婚約者候補がいるのだろうか。
ざっと頭の中で先ほど挨拶をした面々を思い浮かべてみる。公爵家に匹敵する家柄の娘……いない。
ひょっとしたら、対抗馬はここには招待されていない。他にもたくさんの候補者がいる。そう期待しておこう。
(聞いてない、聞いてない、聞いてない……!)
「アイリーシャ、大丈夫?」
「では、あの噂は本当なのかしら?」
「アイリーシャ様を、王太子殿下の婚約者にという話? でも、早すぎるのではなくて?」
「いえ、こういうお話は、どれだけ早くてもいいものよ」
噂の中心が自分だとわかれば、ついつい聞き耳を立てたくなるというものだ。
(うわぁ、聞いてないぃ……! でもそういう可能性もあるといえばあるわよね……!)
言われてみればそうだ。アイリーシャは公爵家の娘。たぶん、兄達三人は王子の側近候補だろう。
そして、アイリーシャも、王子とはお似合いとか言われてしまう年頃だ。婚約者候補の筆頭でもおかしくない。
というか、他に婚約者候補がいるのだろうか。
ざっと頭の中で先ほど挨拶をした面々を思い浮かべてみる。公爵家に匹敵する家柄の娘……いない。
ひょっとしたら、対抗馬はここには招待されていない。他にもたくさんの候補者がいる。そう期待しておこう。
(聞いてない、聞いてない、聞いてない……!)
「アイリーシャ、大丈夫?」