仮面をはずせば、

.

.



放課後の教室はほんのりハイライトが低め。

落ち着いた雰囲気は、決着をつける場にぴったりだった。


心のなかで何回もシュミレーションしたから、きっとだいじょうぶ。



「えっと……うん、まだいる」


つくえのよこに茶屋くんのカバンがあることを確認して、わたしは教室に足を踏みいれる。


おそらく日誌を出しにいった茶屋くんは教室にいなかった。


それ以外の人の姿もなく、もうみんな下校したみたい。



誰もいない教室。

窓際いちばん後ろのわたしの席


──────の、となりに座った。


そう、茶屋くんの席だ。


< 5 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop