仮面をはずせば、
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放課後の教室はほんのりハイライトが低め。
落ち着いた雰囲気は、決着をつける場にぴったりだった。
心のなかで何回もシュミレーションしたから、きっとだいじょうぶ。
「えっと……うん、まだいる」
つくえのよこに茶屋くんのカバンがあることを確認して、わたしは教室に足を踏みいれる。
おそらく日誌を出しにいった茶屋くんは教室にいなかった。
それ以外の人の姿もなく、もうみんな下校したみたい。
誰もいない教室。
窓際いちばん後ろのわたしの席
──────の、となりに座った。
そう、茶屋くんの席だ。