オレンジ色のお姫様



「おじさん、いちごあめ2つください」


海世くんはいちごあめの出店のおじさんにそう言っていて、私は慌てて巾着袋からお財布を取り出す


あ、そう言えば腕の怪我はだいぶ治ってきて、痛みももうほとんどないんだ!


財布から小銭を取り出して出そうとすると、私が出すよりも早く、隣から手が伸びてきた


「か、海世くん駄目だよ...私が払う!」


「良いの、奢らせて」


有無を言わせない目をした海世くんに、これは言っても聞いてくれない...と思い、お財布を再び巾着袋にしまう



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