オレンジ色のお姫様



今はクラス対抗リレーの練習で、私は7走目
アンカーの海世くんにバトンを渡す大事な役目なんだ


「妃、俺反対側だから、スタートの合図妃に頼むよ」


海世くんはそう言って、私にブザーを渡して自分のスタートエリアへと走っていった


「優希ちゃん、準備OK?」


1走目の優希ちゃん声をかけると、親指をたてて合図を出してくれた


「始めます...!よーい」


ブザーのボタンを押すと、ビ───!という機械音がグラウンドに響き、優希ちゃんが一気に地面を蹴って走り出す

突然鳴ったブザーの音に、他の種目の練習をしていた人達もなんだなんだとランニングエリアのほうを見ていた



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