オレンジ色のお姫様

妃side




『海世と銅は後ろ、隣で座れよ』



北川先生はそう言って、私は思わず動揺してしまった

あ、安堂くんの隣...!?

嬉しいけど緊張しちゃって授業なんか筒抜けになっちゃうよ...嬉しいけど!!


「良かったね、妃」

隣の席のみっちゃんはボソ、と小さくそう言った

みっちゃんは私が中学のときから安堂くんのファンということを知っている

私はみっちゃんに向かって小さく微笑んだ


緊張するけど、やっぱり嬉しいなぁ


「あ〜、でも妃とは離れちゃうかもね...寂しい!」


ハッ...そうだ、みっちゃんとは席離れちゃうかもしれない...!


「えぇ〜...やだよ...みっちゃん...」



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