オレンジ色のお姫様



「妃」


不意に名前だけ呼ばれ、海世くんのほうを見て首を傾げた


「名前に呼ぶのも慣れたしさ、もうちょい進んでみない?」


「え...っ」


海世くんはそう言うと、私に手を差し出した

手、繋ぐってことだよね...


私は海世くんの大きな手に自分の手を重ねた


それから指を絡ませるように握り締めて

な、なんか凄い恥ずかしい...!


「ふは、妃顔真っ赤」

「し、しょうがないよ...!」


好きな人と手なんか初めて繋いだもん...



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