教えて、先生
金曜日の夜。
社会人1年目の私は疲れきっていた。
慣れない仕事。
慣れないパンプス。
やっと金曜日。
ゆっくり眠れる。
シャワー浴びて、メイクを落として
もうご飯も食べずに寝てしまおう。
そんなことを考えながら
玄関の鍵を開けた私。
「優里。」
後ろから声をかけられて
びくっとした。
「こう、ちゃん。」
「ちょうどよかった、俺も今帰りなんだ。
腹減った。
飯作ってよ。」
一瞬。
たぶん一瞬だけ顔に出てしまった
否。と言う気持ちを
彼氏の康太が見逃すわけない。
ピクリと眉を上げて私を部屋に押し込んだ。
「こう、ちゃ…ん、や、めてっ、!」
かちゃん、と鍵のかかる音がしたあと。
ドンっと壁に押し付けられて自由を奪われた。
「優里…。俺、疲れてんだよ。」
< 1 / 5 >