腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
セフレ以上恋人未満
うう……重い。
やめて!
何を載せてるの⁉︎
ちょっと! 右腕に石を重ねないで!
真っ黒なフォルムに口だけが見える。
ニヤッと笑った。なんて奴! 誰なの!

「ハッ……夢?」

イヤな汗をかいた。
それにしても暑い。
夜が明けたところなのか、カーテンから弱い光が漏れている。
起き上がろうとして、右半身に纏わりついている熱い物体にやっと思い当たる。

「ああ……昨日帰らずに泊まったんだっけ」

私の右腕を押し潰すように覆いかぶって、胸の上に鍛えられた重そうな長い右手を伸ばしている。左手は腕枕。つまり私を抱き枕のように扱っているのだ。
そりゃ、暑いし重いわ。
スカーっと気持ち良さそうに眠る物体(いや人間なんだけど)から抜け出し、バスルームに向かう。
右半身が完全に痺れてるよ……。

今日は月曜日だ。
朝から会議もある。
シャッキっとしないとね。
汗を流してちゃんとした朝ご飯を作ろう。
朝食はしっかり食べる派だ。

それにしても右半身だけじゃない。
全身が怠い。
週始めだって言うのに……。
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