腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
大体の流れはわかった。
江上か……。
しょぼい奴だ。
妥協して、光の友達に手を出した奴。
あの当時でさえ、地味で、馬鹿な奴だと思ってた。
けど、そういう奴がストーカー化する可能性はある。
10年以上、光を手に入れる機会を狙っていたとしたら……危険人物認定だ。



坂上先生が到着した。

「いらっしゃい、聖くん。
ホットコーヒーでいい?」

「あぁ、悪いな。車だからな。
斎、さっきの話、聞かせてくれ。
……あれ? 賢人?
寮に入ってるんじゃなかったのか?」

「ご無沙汰しています。
明日から2連休なんです」

「そうか。
……またデカくなったんじゃないか?」

「それ、さっき斎さんにも同じこと言われましたよ。まだ伸びてますね。今182ありますから」

「……鉄平といい、すっかり抜かされたなぁ」

光を心配して駆けつけてきたというのに、教え子にはちゃんと向き合って話をしてくれる。

あぁ、坂上先生だな、と安心させてくれる。
この人はそんな存在だ。
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