腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「聖くん、座って」

そう言って、斎さんがテーブル席に誘導した。
テーブル席には、カウンターに向けて並んだ光と坂上先生。
その向かいに斎さん。

カウンターに対面で俺と櫂人叔父さん。
他に客がいなくて良かった。

今日の出来事を斎さんが説明している。 
何度聞いてもムカつく。
光がハッキリ断ったと聞いても、ムカつくんだよ。

「……そうか。
まさか今日待ち伏せしていたとはな……。
光、大丈夫か?」

「うん。大丈夫だよ。
掴まれたと言っても、大したことないし。
ちょっとびっくりしたけど。
それに、その気はないって、その場でちゃんと断ったのよ?
藍香の元カレだとしか思えないって。
叔父さんも、弁護士に話すって、江上先輩に言ってくれたし」

「……そうか。斎が一緒の時で良かった。
まさか、こんな展開になると思わなくて……。
お見合いなんて勧めて悪かったな」

「お父さん…
これ、想定外だと思うよ?
お父さんだって、江上先輩がそんな執着系の人だと思わなかったんでしょう?」
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