腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「…え、じゃあ……最初からメグじゃなかったの⁉︎
天使って…」

「ああ。『天使みたいな子』はお前だ。
冷蔵庫みたいに寒い大聖堂で、アレ、一応告白だったんだぞ?
『鉄平は知ってるの?』って聞かれた時、お前の鈍感ぶりには力が抜けたわ」

「……‼︎」

目が飛び出しそうだぞ?

「な、なんで言ってくれなかったの⁉︎
私、ずっと誤解していたじゃない!」

「別に、あの時は伝える段階ではないと思ったんだ。
……光、年下は圏外だっただろう?」

「あ……」

「元々、光は兄貴を想ってた。
だから、年下の俺はどう考えても圏外だ。
わかっていたから……だから俺の目的は、光が俺に馴れること。
そばに居ても、違和感なく、俺を受け入れること。
言葉はそれまで必要ないと思ってた。
自然に俺が受け入れらるようになれば、当たり前の事だけど、情も付いてくる。

学生の間の1年は大きい。
俺が光の圏内に入るのは、ごく普通に考えれば社会人になってからだ。

それまでに俺に馴させて、俺以外の男の事は考えさせないようにした。

……まあ、一緒に風呂に浸かって、身体を洗わせるくらいには馴れただろう?」

事実をそのまま言ってやったら、顔を真っ赤にして怒り出した。
< 138 / 215 >

この作品をシェア

pagetop