腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
思いがけない想い side賢人
「当然のことです」
光はそう言った。
そんな事を言わせるつもりじゃなかった。
俺は光がHASEGAWAで生き生きと仕事をしているのを知っていた。
特に、斎さんの秘書になってからは忙しくても、持ち前のマネージメント能力と語学力を活かし、励んでいた。いつか京くんを支えるのだと。
離れていて、連休が取れないと会う事はできないが、会えば楽しそうに仕事であった話をしてくれた。
今になってこの顔合せの本当の目的がわかった。これだったんだ。
両母親と兄嫁で、光を説得するためだ。
いつもなら鈍感な光の対応に、正直驚いている。俺のために咄嗟にあそこまで言ってくれるとは……。
結局俺は、光に敵わない。
年齢だけじゃない。社会人として大人の対応も出来ていない。
このまま流されてはダメだ。