腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「なんかありそうだな」

「賢人は……お見合いの話とかない?」

「見合い⁉︎
ないけど……ああ、光にあったからか?
心配になった?」

「……あのね、さっき、真理子おば様が言ったでしょう? 賢人にはパートナーが今までいなかったから、海外研修を勧められなかったって。
でも、ずっといないままだったら、きっとお見合いを勧められたと思うの。
……そう思うと、ちょっと怖くなったの」

怖くなった⁇

「だからね、ずっと思っていたのよ。
いつか賢人は本命さんと幸せになるって。

私は賢人の本命じゃないし、私自身に結婚願望もなかったから、いずれそうなった時に祝福してあげないとって、思ってたの。
祝福してあげられると思ってた。

でも、賢人昨日、責任取ってくれるって言った。
プロポーズもしてくれた。

私は、気付かないうちに、蓋をしていたの。
自分の気持ちに。
それを一旦開けて、解放しちゃったら……怖いものがいっぱいあることに気づいたの。

さっきの、他に通うところがあるかもしれないこと。
お見合いの話が来るかもしれないこと。

私と賢人の人生がすれ違って、私じゃない誰かと賢人が一緒に海外へ行ってしまうかもしれない。
そんな怖いことを想像しちゃったの。

そんなの、嫌だ。

……賢人、私を一緒に連れて行って?」
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