腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「そうなんだ。
でも、賢人はどうやら違ったらしい。
元々岩橋は男しか生まれない家系だから、高校くらいから放任なんだよ。
ま、斎も知ってるよな？
何日か帰らなくても、誰も何も言わない」

「あー。そうだったな。
お前、高校の時、うちに入り浸ってた時期あったよな〜」

「そうそう。お前んちのはなれは居心地良かったからな。
……で、賢人も高校の時から殆ど家に帰ってなかったらしい。一人暮らしをしてるわけでもなかったから……まあ、普通に考えたら女だよな」

「……女……」

「兄貴、殆ど実家に帰らないあいつが偶々家に居た時に、rockabillyの話を振ってみたらしい。そうしたら、バーテンの仕事も勉強してみたいって、そう言ってrockabillyを23時から2時迄、引き受けてくれることになった」

「……それは知らなかったな」

「斎が帰るのは、もっと早い時間だからな。
お前は早くから来て22時頃には帰るだろう？
美央ちゃんが待ってるからな」

「だからか……。
賢人がここにいた時、会うことなかったんだ」
< 209 / 215 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop