腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「うん。賢人は家庭教師のバイトが終わってからの入りだったから、遅かった。
入ってくれる時間もぴったり合ってたんだ。

成人したばかりなのに、カクテルの種類もすぐ覚えて、器用になんでもこなしてくれたよ。
基本的に、0時過ぎて客が残っていなかったら、クローズにしてくれていいって言ったんだけど、律儀に2時迄開けていたみたいだ。

賢人の協力のおかげで、家に居る時間が増えた。有希の精神状態も良くなって、奇跡的に1回目の体外受精で着床したんだ。
それからも、産まれるまで心配だろうからと、
在学中はずっと入ってくれていた。

賢人は就職活動をしなくて良かったからってのもあるけど、あいつには困っている人を放って置けない優しさがあるんだ」

「じゃあ、悠人が出来たのは…」

「そう。賢人の協力がなかったら、俺達心が折れていたかもしれない。
賢人のおかげなんだ。
賢人こそ、俺達夫婦にとっては天使なんだよな」
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