腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「それに
『彼女はちょっと天然で鈍くて、俺が頻繁に泊まりに来なくなったことにも、多分気づいていない。だから大丈夫』
そう言われた」

「あちゃー。
光か……。気付いてないって……」

「うん。正直、そんな子いるか?
って思ってた。
けど、相手が光ちゃんだったってわかって、これ以上ないくらい納得してしまったよ」

「……我が姪ながら、賢人に申し訳ない」

「それ、聖くんと同じこと言ってるよ?
いや、俺はすぐに愛想を尽かすような彼女じゃなくて、気持ち的に救われたよ。
だから、まあ、光ちゃんの天然ぶりに感謝だと思った。
それに、賢人のバイト漬け生活も今ならわかる。彼女が年上だったからだ。
いずれ、彼女が先に社会人になる。
経済的に彼女に引け目を感じたくなかったんだろう。
それには親の金じゃダメだ。自分で稼がないと。
ま、男の意地だな」

「……なるほどな。
賢人、いい男だな。
けど、そんなに前からだったんだな。あの2人」

「ここで、聖くんにカミングアウトした時言ったことは全て本当なんだろう。
賢人には最初から光ちゃんだけなんだと思うよ」

「んー。
じゃあ、あの光の反応はなんだ?
鈍感にも程があるだろう」
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