腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
朝だもんね。
カロリーなんて気にしない。
管理栄養士の言うような言葉じゃないかもしれないけど、朝食は一日原動力だもの。

手早くかき混ぜ、火が通り出したらチーズをのせる。あとはくるくるっと……形を整えて……出来た!

「……バター……」

「あ、賢人おはよう!
チーズオムレツ、今できたところよ」

「……スパムは?」

「もちろん焼いてあるわよ。
顔洗っておいで」

「んー……」

チーズオムレツとこんがり焼いたスパムの組み合わせは賢人のお気に入り。トースターに食パンをセットする。

寝起きの賢人は実年齢よりさらに若く、いや、幼く見える。

岩橋賢人(いわはしけんと)25歳。
正真正銘、私より一つ年下。

賢人は幼馴染で、母校であるカトリックミッションスクール聖堂館学園の後輩になる。

私達が出たこの学園は、幼稚園から高校までの一貫教育だ。
もちろん、小学校や中学、ほんの少しだけど高校からも生徒を受け入れてはいるけれど、私も賢人も幼稚園からの入園だった。
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