腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
こ、こんな家の近所であの2人‼︎
バカなの⁉︎
お父さんだって通るかもしれないのに〜!

いや、それどころじゃない。
隣にいる賢人の顔を見るのが怖い……。
きっと……ううん! 絶対、傷ついてる。

あぁ、私のバカ!
なんでこの事態を想定しなかったんだろう。
うーん。
私自身に恋愛経験皆無だからだな。
……あ、分析してる場合じゃない。

「あれ、鉄平とメグ……?」

賢人の驚いた顔を見た瞬間……
私は賢人の手を取って、来た道を思いっきり逆走で駆け出した。

「あ、おいっ!」

ごめん! 賢人ごめん!
見たくなかったよね!

心の中で必死に謝っていた……。

うちの近くには公園がたくさんある。
私は少し離れた、大きめの公園に賢人を連れて行った。

文教地区なので、子育て世帯が多いこの辺りは、日中たくさんの学生や未就園児を連れた若いお母さん達で賑わう。

でも時刻はもう21時前。
外は殆ど人が歩いていない。
1月の凍てつくような公園には誰もいなかった。
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