腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「光? 光?
息してる?」

「…っ⁉︎
あ、……ハァ、ハァ、ハァ……」

私、ずっと息を止めていたみたいだ。
あー、苦しかった!

「バカ……。
口が塞がってるなら、鼻で息したらいいだろ」

「そ、そんなの……知るわけないでしょう!」

そっちこそ、本当に初めてなの?という視線を賢人に投げかける。

「本当に初めてなんだけど?」

ニヤニヤと、でもやっぱり優しい顔で笑いかけてくる。

くそう。
高スペック男は、初めてでもあんなキスが出来るものなのか……。
と言っても私の経験値では、比べることも出来ないんだけどね。

………。

賢人は満足したんだろうか…

本物の天使じゃなくて『天使の姉』で良かったのかな…

でも、満足してなくても、満足してもらわないとね。

うん。本物は無理なんだから。

「…り。ひかり? 光⁇」

「あ、な、何⁇」

「……今何考えてた?
また余計なこと考えてただろう」
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