腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「…まあいいや。
怒ってないんなら。
それより、めちゃくちゃ遅くなったな」

「あ!
え、わぁ…9時半過ぎてる!」

「大丈夫か? 家…」

「うん。
それは大丈夫だよ。
生徒会で食べてくるって言ってあるし。
それでも、いつもよりちょっと遅いけど」

と、そのタイミングで、私のスマホが震えた。これは着信だな。

『光?遅いけど大丈夫なの?
お父さんに迎えに行ってもらう?』

「あ、ううん。
賢人が送ってくれてるから、朝のルートで歩いて帰ってたの。
あと5分もかからないから」

『そう。じゃあ気をつけてね』

「はーい。」

「遅くなって悪かった。
急ごう!」

「え?
あ、うん……」

なんか、ごく自然に手を繋いでいるんだけど……。
距離感が近くなっている?
キスしたから?
そう言うものなんだろうか……。

やっぱり、圧倒的に経験値が低い私には、これからの距離の取り方もよくわからなかった。



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