腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
カトリックミッションスクールとはいえ、本当にカトリック信者ばかりではなく、大半が日本で1番多い仏教徒だ。
そんな中、坂上家と岩橋家は少数派のカトリック信者なのだ。

しかも、両親同士が同学年の同じ卒業生だったため、賢人とは幼稚園に入る前からの知り合いだった。
私にとっては弟のような存在。
うん。
弟……なんだけど……。



「うわー。美味そう!
いただきまーす。」

「どうぞ召し上がれ。」

私が誰かに料理を振る舞う機会はなかなかない。ほぼ賢人限定だ。

私が作った物を賢人が美味しそうに食べてくれるのを見るのは楽しい。
たとえこんな簡単な朝食でも。

「はい、バター塗ったわよ。
おかわりあるからね」

「んー、次、もう焼いといて」

はいはい。
朝から食欲旺盛で何よりです。

長女の私は、ついついオカンのように世話を焼いてしまう。

「ちゃんとスムージーも飲みなさいよ。
今日は甘くしてあるからね」

「…ふぁーい」

「口に物を入れたまま喋らない。
ごっくんしてからよ」
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