腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「で?
お姉ちゃん忙しいの?
叔父さんにこき使われてるんだ」

「いや、そんなわけじゃないんだけどね。
同行出張が多くてねぇ」

「確かに、朝しか光の顔見ないもんね。
……まあ、斎の場合、仕方ないのよ。
1人で出張やら外回りさせるわけにいかないもの」

「……未だにそうなのか?」

「叔父さん、イケオジだもんねぇ。
モテモテなんだ」

「お母さんの言う通りなの。
なんかねぇ……社長の場合、あれは天性のものなんだろうね。天性の人たらしなんだよ。
本人も気をつけてるつもりなんだろうけど、女性はちょっと会話しただけで、自分は彼の特別だと思っちゃうみたいよ?」

「……昔、蓮くんが秘書の時も困ってるってよく言ってたな」

「あー、あの時は最強だったわよ。
斎だけでなく、蓮くんも若いイケメンさんだったでしょう?
しかもタイプの違うインテリ系眼鏡男子。
外回りに行く先々で黄色い声援を受けていたみたい。
結婚していても構わず声がかかったみたいよ?
懐かしいわね」

蓮くんとは、お父さんの妹、愛先生の旦那様の朝倉蓮(あさくられん)さんだ。

大学卒業後、HASEGAWAで修行し、お兄様が代表をされている、ご実家の朝倉コーヒーに入られた。
今は朝倉コーヒーの副社長をされている。

比較的無口な感じの人で、なんとなくうちのお父さんに似ているんだよね。
ひょろっと背が高くて痩せていて、髪がサラサラなところが。
お父さんはもうシルバー混じりだけどね。

でも確かに社長と並ぶとイケオジ二人だわ。
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