腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「今もね、同行すると視線が痛いの。
『あの女、何?』て感じで。
で、姪だってわかったら手の平返したように態度が変わるの。めんどくさーい!
こんなに似ているのに、血縁関係者だってわからないのかなぁ?」

私は長谷川家の血を濃く受け継いだ容姿なので、叔父とは親戚だとすぐに分かるはずなのだ。

「でも、光は良くやってるわよ?
斎の秘書は若くないと務まらないからね」

確かに…
社長はフットワークが軽い。
どこへでも自ら足を運ぶから、ついていくのが大変なんだ。

「光、そんな状況なら出会いもないだろう。
お母さんから聞いたと思うけど、江上君と一度会ってみたらどうだ?
学生時代とはまた感じも違うだろうし」

「えぇ⁉︎
江上君って、図工の江上先生?
なにそれ。お姉ちゃんと会うって…」

「まあ、お見合いみたいなものね。
メグと違って、光はお相手いないから。
お父さんも心配なのよ。
ねぇ、いいお話なんじゃない?」

「その話はお断りしました。
言ったじゃない。
藍香の元カレなのよ?
ちょっと無理だわ……」

「えぇっ!
江上先生と藍香ちゃん、付き合ってたの⁉︎
知らなかった〜。
うわ、それはちょっとキツイね」

「……その情報は知らなかったな」

「あ、ゴメン。
聖に言うの忘れてたわ。
でも、元カノの1人や2人いて当然じゃない?
27歳なんでしょう?」
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