腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「いや、想像だよ。
学生時代からの腐れ縁だからね。
期間、長いでしょう?
さすがに彼女がいたんじゃないかと思うの」

「想像…。
てことは、彼女、いなかったかもしれないの?」

「うん。
そこはわからない。
束縛する気はないの。
でも、さすがに聞いちゃったら不快だし、彼女に悪くて、絶対続けるなんて無理。
だから聞いてない。
……まぁ、もし二股の時期があったとしたら、ちょっと落ち込むかな。
本命さんに申し訳なくて……」

「お姉ちゃん……
それは人が良すぎるでしょう。
それに、仮に他にも女性がいたとしても、本命がお姉ちゃんって可能性の方が高いと思うよ?
学生時代からずっと続いているわけでしょう?」

「それはないと思う」

だって元々は天使の姉。
本命天使の代わりなんだもの。
本人を目の前にして、この話をするのも変だから言わないけどね。

「なんで言い切るかな。
んー、なんかねぇ……その話おかしい気がするのよ」

「おかしい⁇ どこが?」

「言葉悪く言えば、身体だけの関係で、つまり……セフレって事でしょう?
セフレの背中に、そこまでキスマーク付けるかなぁ……。
うん。やっぱりおかしい」

「……」

「一般的にね、キスマークって所有権の主張よね?
マーキング? 独占欲?
なんて言ったらいいかわからないけど……。
あ、じゃあ、私のコレ。
コレ見てお姉ちゃんどう思った?」

「婚約して、同棲までしてるのに、余裕ないのか?って思った。
メグが浮気するわけないのにね。
どこに向かって牽制しているんだか」

「うん。その解釈は合ってる。
じゃあ、ソレは?」

ソレ?
あ、背中のコレ?

「……いたずら、かな?」

あれ? 私の天使が呆れた目で見てる……。
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