腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
そう思いながらも、大学に入って初めての夏休みが来た。
その頃から賢人が私の部屋で過ごす時間がさらに増えていった。

ほぼ毎日、予備校の後は必ずうちに寄る。

私もカフェでのバイトがあったけど、夏休みは朝から夕方までの勤務だったから、夕飯は自炊をして食べていた。

いつも用意するのは2人分。
賢人は何を作っても文句を言わず、美味い！美味い！ と食べてくれるので、レパートリーも広がるし、私の料理の腕も上がったと思う。

褒められると伸びるタイプなんだよね。

すっかり賢人がいる空間に慣れてしまって、2人でいることが当たり前になった頃、事件が起こった。
　　　

それはサークルのイベントがあった日だった。

帰りが遅くなるので、夕飯は作れないと、予め賢人には伝えてあった。

イベントの後、飲み会があって、もちろん私は未成年だったので飲まなかったけど、先輩達はここぞとばかりにアルコールを摂取していた。

午後10時半を回った頃、やっとお開きになり、私は帰途に着いた。
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