腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「その彼女、ちょっと天然で鈍いんだね。
しかも綺麗な人なんでしょう?
うちのお姉ちゃんみたい」

ドキッ

さすが妹だ。
姉のことをよく理解している。

「光も全く浮いた話がないな。
あいつ、めちゃくちゃモテるんだろ?
生徒会で噂聞いたりしないのか?
いや、この前雅おばさんに聞かれてさ。
光に彼氏がいるとか、知らない?って」

「……生徒会では『生徒会長は皆んなのアイドル』って扱いだな。
アイドルは誰のものにもならない。
そういう不文律がある」

「なるほどな。
メグは姉妹でそういう話、聞かないのか?」

「んー。ないねぇ。
いつもすっごく楽しそうだけど。
お姉ちゃんの場合、匂わせには一切気づきそうにないから、ちょっと強引に迫ってくれそうな人じゃないと前に進まないだろうね」

妹よ……
本当によく見ているな。
姉妹でなんでこんなに差があるんだ。
姉は脳天気すぎるぞ。

でも、今はまだ早いんだ。
俺を少しでも意識してくれないと攻め込めない。

光の初恋の相手は兄貴だ。
5歳も年上の兄貴。俺は1つ年下。

在学中は……きっとそのタイミングは来ない。
圏外の間はじっとするしかないんだよ。

でも諦めているわけじゃない。
初志貫徹。
狙った獲物は逃がさない。
そこは親友と気が合うところ。
光は必ず俺のものにする。



しかし、思わぬ出来事が起こる。



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