腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
俺は、 荒い息でぐったりする光を抱き上げ、寝室に運んだ。

「……っ!
け、賢人? 重いよ?」

このベッド、前から思ってたんだ。
俺と寝るためにセミダブルにしたのか?

組み敷いた光の両手を、頭の上で縫い止める。
光が潤んだ目で俺を見上げる。
その目に怯えはあるか?

「じっとしてろ。
経験値が低いんだろ?
低過ぎてさっきみたいに騙されたんだ。
だったら協力してやるよ。
経験値、上げてやる」

そう言って再びキスを仕掛けた。

「……んっ」

光が抵抗する様子は全くない。
ダメだ。このままじゃ……。

光……抵抗しろ。今なら間に合う。

言葉とは裏腹に光の反応を伺うが、さらに欲望にふけった目で見つめられる。
俺をそんな目で見るな。
嫌なら、思いっきり突き飛ばせ!

絡みつく光の舌を強く吸い上げる。

「ふ、あ………けんっ…!」

手の動きを封じているからか、光が腰をよじって、既にはち切れそうになっている俺自身に擦り付けてきた。

……限界だ!


光…

光…

俺のものになれ……










 
結局その夜、光は俺に抱かれた。
一切の抵抗もせずに……。





こんな予定じゃなかった。
さすがに身体を繋げるのは、光の心を手に入れてからだと思っていた。













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