復讐の哀姫
気がつけば奏太の手を握っていた。


「…千夏?」


『奏太は悪くない。奏太は一生懸命、妹さんのこと守ったんだよ』


そう言うと、瞳から大粒の涙が流れる。


「ッ…!」


思わず抱きしめた。


私が奏太にはじめて会った時、笑顔が偽物だったことを思い出す。


…もう大丈夫。奏太は自然に笑えるよ。
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