私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
昔はその四大宗家が神のように崇めていた一族……天月家があったそうなのだけど、今は存在しない。
噂では、家督を継げる能力者がいなくて十数年前に滅びたと聞いている。なんでも天月家の当主は神のような力を使えたとか。
私に言わせれば、そんな強大な力を手にしてる人って善の心を持っていなければとても怖い存在だと思う。
「撫子、今日は眠そうだね」
紺色の背広を着てふわりと微笑む兄……水瀬秋は、私より十歳年上の二十ハ歳で、髪は短く癖っ毛。
顔は父に似ていて鼻筋も通っているし、身内の私が言うのもなんだけどハンサムだ。
とても落ち着いていて、優しい性格の兄は私の親友と婚約している。
「おはよう。昨日の春乃に借りた本が面白くてつい……」
本当は夜の十時に就寝したのだが、それでも眠いとは言えない。
ハハッと苦笑いしながら兄の対面に座ると、尊が私の影のように背後に立った。
私の家族は父と兄と私の三人だったけど、尊を合わせると今は四人だ。
噂では、家督を継げる能力者がいなくて十数年前に滅びたと聞いている。なんでも天月家の当主は神のような力を使えたとか。
私に言わせれば、そんな強大な力を手にしてる人って善の心を持っていなければとても怖い存在だと思う。
「撫子、今日は眠そうだね」
紺色の背広を着てふわりと微笑む兄……水瀬秋は、私より十歳年上の二十ハ歳で、髪は短く癖っ毛。
顔は父に似ていて鼻筋も通っているし、身内の私が言うのもなんだけどハンサムだ。
とても落ち着いていて、優しい性格の兄は私の親友と婚約している。
「おはよう。昨日の春乃に借りた本が面白くてつい……」
本当は夜の十時に就寝したのだが、それでも眠いとは言えない。
ハハッと苦笑いしながら兄の対面に座ると、尊が私の影のように背後に立った。
私の家族は父と兄と私の三人だったけど、尊を合わせると今は四人だ。