私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
その音と共に尊と琥珀くんが部屋に現れ、倒れている隼人に冷ややかな視線を投げた。
「懲りない男ですね」
「よく飽きずにやるよなあ。ある意味感心する」
気のせいだろうか?
尊の結界の力が前よりも強くなった気がする。
だって、私に触れる前に隼人は弾かれたもの。
隼人も同じように感じたらしい。
「いって〜。結界の精度と強度上げてない?」
顔を歪めながら隼人は起き上がり、尊に文句を言う。
「ええ。撫子お嬢さまにもう触れられては困りますから」
尊が涼しげな顔で返すと、隼人は床を叩いて悔しがった。
「ズルすぎる。くっそー、今日こそは結界を破れると思ったのになあ」
「まあ、風磨の兄ちゃんも頑張ったけど、尊の方が上手だったってことだね」
琥珀くんが隼人の肩をポンと叩いてなだめるも、隼人は凄く残念そうに私を見た。
「今日こそはお嬢ちゃんとラブラブな時間を過ごせるかと思ったのに〜」
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