私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
素っ気なく言って、夕焼け色に染まる山の景色を眺めた。
それから三時間列車に乗って湖に近い駅に辿り着いたのは午後九時すぎ。
「うわ〜、さすがに真っ暗だね。今夜湖に行くのは無理じゃない?」
駅を出て空を見上げながら俺に尋ねる隼人に近くにある茅葺き屋根の寂れた宿を指差して言った。
「誰も今夜行くとは言ってない。今日は宿に泊まる」
山の裾野にひっそりと佇む宿を見て引く隼人。
「……え?あの宿?やってるの?」
「さあ。行ってみないとわからん」
すたすたと宿に向かう俺の後を彼は文句を言いながらついてくる。
「それでも執事?ちゃんと確認しなよ。お嬢ちゃんがいないと手抜きなんだから」
「嫌ならお前は野宿するか?」
冷ややかに返せば、こいつは俺に手を合わせて謝った。
「あー、ごめんなさい。神さま仏さま尊さま!一生ついて行きます」
「調子のいい奴」
フッと笑って宿の引き戸を開けたら、八十歳ぐらいの白髪のお婆さんが目の前にいた。
それから三時間列車に乗って湖に近い駅に辿り着いたのは午後九時すぎ。
「うわ〜、さすがに真っ暗だね。今夜湖に行くのは無理じゃない?」
駅を出て空を見上げながら俺に尋ねる隼人に近くにある茅葺き屋根の寂れた宿を指差して言った。
「誰も今夜行くとは言ってない。今日は宿に泊まる」
山の裾野にひっそりと佇む宿を見て引く隼人。
「……え?あの宿?やってるの?」
「さあ。行ってみないとわからん」
すたすたと宿に向かう俺の後を彼は文句を言いながらついてくる。
「それでも執事?ちゃんと確認しなよ。お嬢ちゃんがいないと手抜きなんだから」
「嫌ならお前は野宿するか?」
冷ややかに返せば、こいつは俺に手を合わせて謝った。
「あー、ごめんなさい。神さま仏さま尊さま!一生ついて行きます」
「調子のいい奴」
フッと笑って宿の引き戸を開けたら、八十歳ぐらいの白髪のお婆さんが目の前にいた。