私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
俺がハーッと軽く溜め息をついて水の術で火の玉を消せば、隼人は挑戦的な笑みを浮かべ、風の術を使って竜巻を起こし、鬼を倒していく。
「俺は闘志がみなぎるけどね」
「それは頼もしいな。全部お前に任せようかな?」
悪戯っぽく目を光らせ、ネクタイを外すと呪文を唱えて氷の剣に変え、俺に向かってくる鬼たちを滅多斬りにした。
「冗談。あっ、その剣カッコいい。次はその術教えてよ」
「お前が水の術をもっと使いこなせるようになったらな」
俺と隼人はそれぞれ水や風の術を使って鬼を倒していくが、数が多い。
「これじゃあ埒が明かない。なんかいい術ないの?」
隼人が俺と背中を合わせ、息を乱しながら言う。
「仕方ない。とっておきのを使おう」
まずは湖の周りに霧を発生させた。
それからフーッと息を吐いて氷の結晶を作ると、彼に命じた。
「隼人。この結晶を飛ばせ!」
「あいよ」
彼がニヤリとして風の術を使うと、氷の結晶が舞って、鬼に付着する。
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