私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
緊箍児を使って鬼を操ったんじゃないだろうか。
そういえば、紅羅は腕に金の輪っかをつけていた。
今思うと、緊箍児だったんだ。
火の術を使う不知火家は水の術を使う水瀬家を昔から恐れていた。
邪魔な水瀬家を潰そうとしているのかもしれない。
「緊箍児〜!」
俺の話を聞いて素っ頓狂な声を上げる隼人の口を慌てて塞いだ。
「シッ!お前、声が大きい」
「ごめん。でも、緊箍児なんて伝説でしか聞いたことないもの出してきて……ますます厄介だな」
「最初の花火もあいつらの仕業だろう。お前はもし不知火か水瀬を選べと言われたらどっちを選ぶ?」
多分近い将来選択を迫られるはず。
俺の問いに隼人はとびきりの笑顔で答えた。
「そんなの決まってる。水瀬だよ」
「言うと思った」
彼の返答にフッと微笑んだ。
それから、隼人は今回の件を報告に一度風磨家に帰り、俺は水瀬家に戻って撫子の寝室に向かった。
離れていても彼女のことは常に頭にあった。
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