私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
戸惑いながら答えると、彼は自嘲するように笑った。
「そうだ。女にしか見えないんだよ」
気持ちは複雑。
妹じゃないって言われているようで寂しくなる自分もいれば、妹として見られなくてホッとする自分もいる。
なぜそんな風に思うのか。
自問自答する私の耳朶を彼が急に甘噛みしてきたからつい「ギャッ」と奇声を上げた。
「み、尊……突然なにを?」
おどおどしながら尋ねると、彼は色気のある目でフッと微笑した。
「大人として扱うってことは、女として扱うってこと。俺も男だ。女と一緒のベッドにいれば、触れたくなるのは当然」
その妖しい視線にドギマギする。
この目は冗談なのだろうか?
それとも本気?
気が動転していて彼の本心がわからない。
でも露天風呂での一件もあるし、冗談とも思えない。
今ここで彼に抱かれる?
そ、そんなのダメ!
「わ、わかりました!やっぱり私はまだ子供です」
自分の主張をあっさり翻したら、彼は私の横にゴロンと仰向けに寝そべった。
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